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2010/02/08

教育の職業的意義

本田由紀著『教育の職業的意義』(ちくま新書、740円+税、2009年)
冒頭、よく受ける反論を類型化し、それについての再反論を明示して、論考を始めているので、主張の根拠が理解しやすい。途中、戦前の教育制度まで遡っての解説の章があるが、ここは冗長で軽く読み飛ばしてもよい。あとの国際比較は、考察の約束事としてかまわない。
進学状況と受け入れる社会の職業能力開発の余力を見極めても、職業的意義のある文字通り有効な教育が必要であることは言をまたない。過剰な適応力養成だけでもなく、批判力・判断力・抵抗力養成も含めて、社会の実情を、その光も陰も両方伝えていくことが肝要である。問題はその力のある教育者がいるかということもあるが。

この著作の前に、堤未果著『貧困大国アメリカⅡ』を読んだが、米国における教育ローンで借金漬けになる中間層の大学生の実情、卒業しても「マックジョブ」にしか就けない現状に慄然とする。それと、第三世界に低賃金労働を国内で提供している刑務所労働ビジネスにも貧困者をとことん貧困に追い込む奴隷国家の出現の事実に驚かされる。
同書についての、2/7朝日新聞での某ジャーナリスト氏の書評が、日米のダメさ加減にカタルシスを覚える著書だと、シニカルな記述があったが、何かそういう捉え方には著者への妬みが感じられ不快に思った。

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