« 『ルポ 貧困大国アメリカⅡ』 | トップページ | 教育の職業的意義 »

2010/02/03

賛同署名した声明文

※呼びかけ人が1月18日に記者会見を開いたそうだが、共同・時事のネットニュースに流れただけで、他はどこも取り上げなかったという。


普天間基地移設計画についての日米両政府、及び日本国民に向けた声明

米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)の移設計画をめぐって、鳩山政権と米国政府との間に緊張が生じている。この飛行場は、米軍基地が集中する沖縄においても、住宅密集地の中にあり、最も危険な基地といわれており、すみやかな閉鎖、撤去が求められてきた。米国政府は、旧自民党政権との間で「合意」した辺野古(キャンプ・シュワブ沿岸部)への移設によって問題を解決しようとし、その計画を「合意」通りに進めることを要求している。これに対して、鳩山政権は、選挙において同基地の県外・国外移設を主張してきた上に、沖縄県民の沸騰する反対の意思表明を意識し、さらに社民党の反対を考慮して、二〇〇九年一二月にこの要求を年内に受け入れることを回避した。そして、二〇一〇年五月までに方針を決めると表明したのである。
 この問題は、鳩山政権と沖縄県民だけが考えなければならない問題ではない。日本に住むすべての人びとが真剣に考え、知恵を出しあい、解決策を模索すべき問題である。私たち本土に住む者も、普天間移設をめぐる現在の動きを黙視することはできない。私たちは沖縄県民の意思を尊重し、簡単に日米「合意」に妥協することをしなかった鳩山首相の決断を、その点においては評価する。その上で、次のように日米両政府、及び日本国民に声明する。

(1)私たちは、辺野古に新しい基地を建設することはもちろん、沖縄県内に普天間基地の機能を移設することに反対する。すでに沖縄には過重な基地の負担が押し付けられている。これ以上沖縄の負担を増やしてはならない。またこれまで行なわれた住民投票にせよ、各種世論調査にせよ、県議会選挙や直近の衆院選挙にせよ、沖縄県民の意思は、新基地建設に対して明確に「否」と示されている。日本は民主主義の国であり、選挙で示された県民の意思は尊重されなければならない。さらに、日米「合意」で基地建設が計画されている大浦湾は、ジュゴンなども棲息する自然豊かな海域である。地球温暖化への人類全体の対応が迫られている中で、なぜこの貴重な自然を潰して基地を建設しなければならないのか、私たちは納得のいく説明を聞いたことがない。
(2)米国は、旧政権との「合意」の確認と履行を新政権に迫っている。しかし、辺野古移設計画は、自民党政権、自民党県政であっても、一三年間、まったく動かすことのできなかった計画である。もともと普天間問題は、一九九五年の海兵隊員による少女暴行事件が発端であり、沖縄の負担軽減策として、五~七年以内の全面返還が約束されたものである。それが、いつの間にか県内北部への巨大基地建設へとすりかえられた。沖縄県民ならずとも、納得できる話ではない。麻生政権は、政権交代を見越して、きわめて不平等性の強い「グアム移転協定」を米国との間で結び、当時持っていた衆議院三分の二の議席によって強引に採決・批准した。新政権は、この「グアム移転協定」も含め、問題の推移について改めて検証し、今後の方針について時間をかけて再検討すべきである。米国はその間、圧力をかけるべきではない。
(3)日米安保に基づく米軍への基地供与は、沖縄にあまりに集中し過ぎている。かりに、現在の日米安保条約体制を前提とする場合であっても、本土の米軍基地への受け入れの可能性や国外移転を真剣に検討すべきである。
(4)ただし、日米安保条約は、五〇年以上も前の米ソ(中)冷戦構造を前提にして作り上げられたものである。冷戦は終結して二〇年が経ち、東アジアの国際環境も大きく変わっている。冷戦時代に想定したような大規模な軍事衝突が、近い将来東アジアで発生するとは考えられない。私たちは、冷戦思考から脱却し、周囲の国々との間に信頼を醸成し、敵のいない東アジア地域を作り上げていくべきときである。その視点からいえば、普天間基地を始めとする沖縄の基地は不要である。そこで、普天間基地だけではなく、他の基地についてもいずれは撤去を実現することを目指して努力すべきである。私たちは、いま、日米安保条約体制を見直していく必要があると考える。まずは、日米地位協定からはじめて、新日米ガイドライン(防衛協力の指針)を見直し、続いて鳩山首相がかつて主張した「常時駐留なき安保」の実現や、さらには安保条約そのものの見直しへと進んでいくべきであろう。

|

« 『ルポ 貧困大国アメリカⅡ』 | トップページ | 教育の職業的意義 »