« おもしろ広告 金鳥小説ふらふら、宇土シティ劇場 | トップページ | 熊本学園大学水俣学公開講座 »

2006/07/01

八代市で魚住昭氏の講演を聴いてきた

 地元新聞社主催の地域フォーラムで、ジャーナリストの魚住昭氏の講演があるというので、聴きにいった。同氏は会場のある八代市の出身ということもあって、ホールは満席。地元の聴衆を前にして珍しくかなり緊張しながらの45分間の講演だった。
 話の内容は、八代のイ草農家や商店街の疲弊や木村建設倒産を引き起こした耐震偽装事件を例に上げながら、90年代後半以降の規制緩和・グローバリゼーションの本質を解き明かしてくれるものだった。魚住氏の理解によれば、多国籍企業の利益を代弁する米国の要求によって、政治の理念自体が、従来の公平配分から傾斜配分へと転換され、地方が切り捨てられているという。地方独自の文化や経済をつくる政治に修正されなければ、強いものはより強く、弱いものは痛めつけられる、この格差社会は続くと言っている。政治が転換する希望の例として、地域政党の出現を上げていた。
 耐震偽装事件の背景にも規制緩和・グローバリゼーションがあり、建築基準法の改正の結果、市場原理に擦り寄って建築確認が自然甘くなる民間の検査機関を生んでしまった国土交通省が、他に悪人を仕立て上げていたウソの構図にマスコミも国民も騙されてしまったと、指摘している。いかにA元建築士がズサンだったとしても、実に7年以上100棟にわたって見逃していたのは、誰あろう国交省というわけである。震度5弱の地震が実際あったにもかかわらず、ヒビ割れ一つ起こさなかった耐震偽装物件を倒壊の恐れがあると、パニックを煽り、建築業者を悪人に仕立て上げる手並みは悪賢いというほかない。
 しかし、いかに東西冷戦の崩壊で旧東側が一気に西側の市場に参入してグローバル化してきたといっても、米国が日本に規制緩和を要求してきたといっても、政権や官僚が地方や貧乏人のことなんか考えまいとしていようとも、そういう政治を選び取ってきたのは有権者なのである。次代にどう軌道修正した社会を受け渡すか、責任の重さを痛感させられたいい講演だった。
 このあと地元市長を交えたパネルディスカッションも開かれたのだが、市長の人柄は知っているので、失礼した。魚住講演の前に、T編集局長から故・本田啓吉氏の遺稿集を出版する計画を聞いた。それについては、ぜひ協力したい。
Uozumi06070113510495

|

« おもしろ広告 金鳥小説ふらふら、宇土シティ劇場 | トップページ | 熊本学園大学水俣学公開講座 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/84238/10749510

この記事へのトラックバック一覧です: 八代市で魚住昭氏の講演を聴いてきた:

« おもしろ広告 金鳥小説ふらふら、宇土シティ劇場 | トップページ | 熊本学園大学水俣学公開講座 »