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2006/05/30

斎藤貴男著『ルポ改憲潮流』を読む

これだけ情報過多にありながら、フリーランスのルポライターで読ませる文章を書ける人が少ない気がする。そんな中で、斎藤貴男氏の著作は、誰もがわかったようでいて何もわかっていない問題を、鋭く抉り出してくれる。最新刊の『ルポ改憲潮流』(岩波新書)も大新聞ではなかなかお目にかかれない事象を丹念に描いている。同書を読んだ直後に、斎藤氏に取材された某大新聞の論説主幹が自身の論説で斎藤著書の中のネタで一文を書いていたのに出合って、苦笑してしまった。
さて、本書の感想だが、改憲の問題点というのが、単に(といってもこれも重要だが)9条2項の扱いというだけでなくて、憲法の成り立ちで共通理解であった近代立憲主義がないがしろにされている事実や自ら進んで世界の嫌われ者・国家を目指していることにあることだ。市場経済のグローバル化に乗るというと、ちょっと見進んでいるように思われがちだが、武力を背景に利権をあさろうというケチな国になるということである。結果、ますます国内が空洞化し、元凶が何かも分からず痛みを押し付けられた人々が、さらに自分より弱い者・異質な者を敵視し、虐げていくという歪な社会になっている。そんな流れの総決算が改憲という気がする。
立法の何たるかを知らない国会議員、憲法判断を下せない腰抜け裁判官など、お寒い役者が総出演の本書。こんなヤツらがエリート面しているかと知れば、フツーの若者たちも逆に勇気持てるんじゃないかと思ったことだった。

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