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2005/11/02

気になる船戸・大沢・宮本新刊本 

最近めっきり読書をしなくなった。まず離れたのが創作本。専門書は折に触れて手にとることもあったが、これも新聞やネットで最新情報を見聞きしておれば当座困らないという始末。
ただ、ここ20年ほどの間、網羅的に著作を読んできた3人の作家の新刊がほぼ同時期に出たので気になっている。

funadochomauまず、船戸与一の『蝶舞う館』(講談社 1995円)。舞台はベトナムだ。対日感情に不安定感のある中国に代わる日本企業の海外生産拠点として注目を浴びる同国にも民族問題はある。そこを掘り起こす船戸のいつもながらの目のつけどころが新鮮だ。抑圧される側の感情や思想・行動を何度となく描いていっている。ある種、国際政治を読みきるテキストという気がする。名著『叛アメリカ史』の豊浦志朗(船戸の別のペンネーム)の視点が今も息づいている。

osawajocker次に、大沢在昌の『亡命者』(講談社 1785円)。国際舞台の船戸作品に対して日本の現在を舞台にすることが多く、主人公も1回限りで消していく船戸に対して、新宿鮫や佐久間公、プライベートアイと人格を固定化・シリーズ化することの多い大沢作品。その中にあっては続編がなかったジョーカーシリーズの第2弾がこの作品だ。大沢の作品を読むと、日本の社会、とりわけ治安や若者風俗についての変容が感じとれる。また、トラブルに立ち向かうのはいつも個人。組織より個人の美学を大事にする作家のピュアなまなざしをいつも感じる。

miyamotonigiyakaue最後に、宮本輝の『にぎやかな天地』(中央公論新社 上下各1680円)。宮本作品の強みは登場人物の生業のリアリティーにある。代表作の流転の海シリーズに描かれる父親像には共感できる。そして人間関係の絡み。いつも人の佇まいを考えさせてくれるのがいい。

 ところで、ココログさんは一挙に大容量化に向かいましたが、これは動画対応への備え?

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